こんにちは、はやし歯科ほんまち院の林です。
今日は歯科用レントゲン撮影時の防護エプロンについてお話します。
歯医者さんでレントゲンを撮影する時、ズシっと重たいエプロンをかけることがあります。
あれは何かというと、鉛が入ったエプロンなのです。
鉛は極めて比重が高く密度も高く、放射線をブロックすることができるため、放射線から体を防護するために使用されていました。
しかし、体幹部を、しかも歯科より高いレベルの放射線量で撮影する医科レントゲンで、防護エプロンをすることはないですよね。
近年、歯科でも防護エプロンが果たして必要かどうか議論されており、今後は、不要である、という方向に進んでいきそうです。
2015年に日本歯科放射線学会防護委員会から出された指針では
歯科用レントゲン(歯科用X線)撮影時における防護エプロンの線量低減効果はほとんど無いとされている。歯科用レントゲン撮影で防護エプロンを着用するとエプロンの影が映り込みやすく、再撮影のリスクが上昇する。このため、歯科用レントゲン撮影においては防護エプロンを着用せず、映り込みによる再撮影のリスクおよび再被ばくのリスクを避けた方が良い。
とあります。
そもそも歯科用レントゲンの撮影時に出る放射線量は0.01ミリシーベルト程度です。パノラマレントゲン撮影時の場合は0.03ミリシーベルト程度になります。何のことやらですが、つまりこれらは日常生活で受ける自然放射量に比べて極めて少ない数値である、ということです。
さらに防護エプロンにより軽減される放射線量は、概算でそのうちの0.001ミリシーベルトくらいのようです。
この量を心配するなら、関西に住んでる人は自然放射線の少ないとされる関東に引越ししなきゃ、というレベルです。その方がずっと放射線量を軽減できます(地質の違いで、関西は関東に比べて自然放射線量が多いとされています)。
歯科医院で防護エプロンをするのは患者様の心理面を配慮して、という意味合いが大きいです。
歯科の大学病院でも今は希望のない限りは防護エプロンを装着しないところが多いようです。
はやし歯科ほんまち院では、日本歯科放射線学会防護委員会の指針にのっとり、レントゲン撮影の時、特にご希望がなければ防護エプロンをしません。
それでもどうしても気になる方は、防護エプロンのご用意はありますので遠慮なくおっしゃってください。
患者様の安全に配慮した治療をいたしますので、どうぞ安心してはやし歯科ほんまち院にいらして下さい。