こんにちは、はやし歯科ほんまち院の林です。
先日学会のプログラムの中の医療倫理の講演を聴講しました。
具体的には、緩和ケアに携わる医療者自身の心のケアについてでした。
歯科医師においては緩和ケア、というのは一部の部門以外にはあまり馴染みのないことですが、医療者の心の健康というのは、患者様にとっても他人事ではないとは思います。
お医者さんの話です。日本でも卒後2年研修医という制度がありますが、研修開始後に抑うつ状態を訴える割合はなんと2割近いそうです。
人はストレスがかかるとより病気になりがちです。病は気から。なんてよく言ったものです。
ドイツのデータではワールドカップのある日の心筋梗塞の発症率は男性では3.26倍、女性では1.82倍です。
またストレスはミスにもつながります。アメリカのデータでは、仕事にストレスを感じている研修医の医療ミス発生率は、そうでない研修医の6.2倍だそうです。
そういうわけで、患者様にとってはもちろん、医療者にとっても心のケアというのはとても大事なことです。
みなさんマインドフルネスって聞いたことありますか?
人は今を生きているように思いますが、実際には頭の中は過去の後悔や未来への不安で頭が囚われ、"心ここに在らず"の状態にあります。心当たり、大いにあります。
マインドフルネスとは、そういったネガティヴなことに問わられず、今に心の全てを向ける状態を言います。
マインドフルネスの状態に持っていくには瞑想と呼吸が大事だそうです。
過去や未来のことは雑念で、雑念が浮かんできた場合は、「雑念、雑念」と心の中でつぶやき、「戻ります」と言って、再び呼吸に意識を戻します。呼吸のめい想は、1日10分ほど行うことから始めるのが良いそうです。
なんだか怪しい話になってきたじゃないか、と構える方もいらっしゃるかもしれません。
しかしマインドフルネスは医学的に研究が進んでいて、マサチューセッツ大学のストレス低減センター(マインドフルネスセンター)によると、マインドフルネスによるストレス低減法では慢性疼痛に効果があり、マインドフルネス認知療法は再発うつに効果があったそうです。
またがん患者様の気分の不安や落ち込みの改善、睡眠・心拍数・血圧の改善、免疫機能の変化、などがみられるそうです。
また細胞は分裂するたびにDNA末端のテロメアと呼ばれる部分が短くなり、老化していきます。テロメアがすり減るとそれ以上分裂できず、組織再生か修復が難しく、病気に繋がりやすくなります。ストレスがかかるとテロメアの短くなるスピードが速くなりますが、マインドフルネスによりテロメアの短くなるスピードが落ち、再生することもある、という報告もあります。
マインドフルネスによる効果は大企業も注目しています。
Googleは2007年からマインドフルネスをもとにした能力開発プログラムをスタートさせています。具体的には、決められた期間、1日数分瞑想をする、というものです。
瞑想の効果として生産性の向上、ストレス軽減、自己制御力の向上などが報告されているそうです。
というわけで、マインドフルネスは心身状態の改善に効果のあるものだとわかりました。
リラックスして瞑想を行うため、眠ってしまいそうになりますが、瞑想の途中で眠ってしまうと、不安や悩み事がそのまま夢の中に出てくる恐れもあるため、「自分の心と向き合う」という目的意識を持ちながら行うことが大切だそうです。
瞑想しながら寝落ちしない、なかなか難しいです。
講演中にも瞑想の時間が設けられていましたが、案の定寝てしまっていたので、また少し戻ったりしました。
今回の講演は歯科医師向けでしたが、なかなか異色なお話でした。新しい世界を垣間見た感じで面白かったです。
歯のクリーニングも痛くなく丁寧に受けられれば最高にリラックスできます。
その上にお口の健康を維持できるなんて素晴らしい事です。
リラックスできる歯のクリーニングしに、はやし歯科ほんまち院に是非いらしてください!