こんにちは、はやし歯科ほんまち院の林です。
唇に口内炎みたいなのができて歯医者さんで軟膏もらった、たまに潰れてなくなるけどまた数日でできていっこうに治らない、という方がたまにいらっしゃいます。
いわゆる一般的なアフタ性口内炎は数日で治ることが多いです。以前も少し触れましたが原因が不明なので繰り返さないとは言えませんが、基本的に水ぶくれになりません。
唇の片側にプクッと明らかに中に水が溜まったように腫れて、気になって触ってたらついうっかり破ってしまってしぼむけど結局すぐまた再発したりするのは、普通の口内炎ではなく、粘液嚢胞といわれるものです。
お口の中には唾液を分泌する唾液腺があちこちにあります。
その中でも舌の下にある舌下腺、耳の下にある耳下腺、顎の下にある顎下腺が三大唾液腺として有名です(歯医者の中で)。
三大唾液腺の他にも無数の小唾液腺があり、口腔粘膜やのどの粘膜に存在しています。
小唾液腺からは細い管が無数に出ており、管を通じて唾液が口内に分泌されます。
この管が傷つくと、詰まって唾液が正常に分泌されずに粘膜の下に溜まってしまうのです。
これが粘液嚢胞です。
治療は麻酔して原因となる唾液腺ごと摘出することが多いです。
ちなみに舌下腺にできる粘液嚢胞は、ガマ腫と言って、また治療法が異なります。
下唇は無意識のうちに上の歯が当たって傷がつくようで、粘液嚢胞の好発部位と言われています。
私自身大学生の時に粘液嚢胞に悩まされたことがあります。
私の場合も下唇で、ほっといても治らないのはわかっていたのですがなかなか踏ん切りがつきませんでした。
そして、できては破れ、を1ヶ月弱繰り返したため1センチ近くに成長し青紫色になって、病院実習で各科を回っていた頃でしたのであちこちの先生方に"はよ取り"と言われ続け、すごく違和感あって気になって仕方ない状態でしたので、外科でとってもらいました。
私はもちろん術中の様子は見えませんでしたが、友人がアシストについてくれてスケッチ付きのレポートを書いてくれました。
粘液嚢胞は潰れて再発するたびに周りの組織との癒着が進み、摘出する際に大変になります。
1ヶ月放置したせいで私もなかなか癒着がひどかったそうです。
取った翌日は腫れたし、2.3日は痛かったですし、今でもほんの少し下唇がひきつった感じが残っていますが(見た目や動きに支障はなく痺れる感じがほんとにほんの少しある程度です)、取って本当に良かったです。
その後もごくたまに下唇に粘液嚢胞ができますが、大きめの唾液腺を既に取っているからか、ほっといてもすぐに治り、すぐに再発するようなことはなく、さほど気にならない程度で済みます。あくまで私の場合は、ですが。
唇には神経や血管が多く通っていますので、患者様の安全を守るために粘液嚢胞の除去は外科の先生にお願いしようと思っています。
はやし歯科ほんまち院には、(主に親知らずの抜歯をお願いしていますが)定期的に口腔外科の先生方に来ていただいていますので粘膜の異変も診てもらえます。
口内炎が治らなくて不安、と言う方は一度はやし歯科ほんまち院にご相談ください。